以前からusbORCAの存在は知っていたが作る必要性がなかったので一度も作った事が無かった。しかし、ある教育機関様より日レセを使いたいという打診があって、20台あるWindowsマシンを出来ればDualブート出来るようにして使いたいという要望があった。
そこで必要性が出て来たのがusbORCAだ。WindowsではvmplayerORCAを使っている人の方が恐らく多いように思われるが、何分教育用なので多少レスポンスに問題があってもusbORCAの方が良いと考えた。vmplayerORCAでは初心者が操作するのに操作が難しいのではないかと思われるからだ。それにWindowsを立ち上げてからまたvmplayerでUbuntuを立ち上げなければならないのはWindowsを使うのであれば問題ないがWindowsを使わない場合はどう考えてみても二度手間で面倒である。
ただusbORCAの場合はusbメモリからの起動が出来なければならない。BIOSの画面を見て+usbハードディスクの表示があれば大丈夫だと思われるがUbuntuが認識してくれるかどうかはやってみないと分からない。しかし、一旦出来てしまえば20台分をコピーすれば良いわけであるから簡単である。usbはUbuntu10.04で普通にインストールして4ギガもいかないから8ギガもあれば十分ではないだろうか。
(0) BIOSで起動順序を変更する。一番目がCD/DVDで二番目をusbハードディスク三番目を通常のハードディスクとする。
(1) 通常のUbuntu10.04インストール用ディスクを準備する。これは日医の日レセのインストール手順書に書いてあるものである。
(2) 日医の日レセのインストール手順書でハードディスクのパーティショニングで手動を選びusbメモリをインストールするハードディスクに変更するだけである。例えばsdbとかになっているところをインストール対象とするだけだ。購入したばかりのusbメモリならばWindows用になっていてntfs等の領域になっているが、その場合は全て削除し、そこに「ガイドによるパーティション」を行えばsdbにext4に/というroot領域とスワップ領域を自動的に作ってくれる。書き込む時はくれぐれも注意しないとWindowsも壊してしまうので細心の注意が必要だ。長いインストールの後の最後にマスターブートレコードにGRUBブートレコードをインストールしますか?と聞いて来るのでYESとする。マスターブートレコードと言ってもusbメモリのマスターブートレコードなので大丈夫なのだ。
(3) ただusbなのでインストールに時間がかかる。またusbなので起動にも時間がかかる。インストール自体は 日医の日レセのインストール手順書通りにやれば問題なくインストール出来る。ベースシステムのインストールで2時間以上。gnomeのインストールが完了するまでで、又2時間以上。日レセインストールで2時間以上。
(4) 出来あがったusbは基本的にはNICのMACアドレスの問題等があるのでインストールしたマシンでしか基本的には使えないが、インストールにはまる一日かかるので同じ機種のマシンの場合はusbをコピーしておいて後から再設定する。しかし、usbのコピーも1時間近くかかるので20台となると結構大変である。
しかし、どう考えてみてもDualブートは危険だと思った。どうしてもやってくれと言われれば専用ソフトを使ってバックアップをとりながらやれば問題なく出来ると思うが、今までの経験から結局Windowsの方もUbuntuの方も両方とも壊してしまう可能性が高いと思った。Windowsの方も自分が担当するならまだしも勝手にパーティションを縮小してUbuntuを導入するのは管理ベースで問題があると言わざるを得ない。
usbORCAだと管理上の問題はWindows側と完全に分割されるので良いのであるがレスポンスが問題である。一旦動かしてしまえば日レセもサクサク動くが、開始と終了時はちょっと反応が遅くストレスを感じてしまう。