元々大手の電子カルテが一体型であったが、ORCA電子カルテはレセコン分離型から始まった。電子カルテとのI/FがCLAIMからAPIになり、よりメジャーなAPIが推奨される事でレセコン一体型への流れが出来つつある。
レセコン分離型でよく問題になるのが電子カルテ側とレセコン側で入力した内容の不整合である。前者は医師が入力したものであり、後者は医療事務担当者が入力したものである。返戻などがあると日レセの方は修正するが、電子カルテ側は修正しないので不整合が発生する場合がある。一体型ではこうした不整合が発生しないので良いように思うのであるが運用面では難しいところがある。
一体型の問題は融通が利かなくなってシステムの拡張性が難しいという事である。また何か問題が発生した場合に全てが止まってしまい部分的な稼働さえも出来なくなる事である。システムがモジュール化されるという点では分離型の方が優れていると単純に考えられる。たとえば日レセでは予約システムを導入するにしても一つではなく何種類もの予約システムを入れる事が出来たりするが一体型では難しかったりする。また一体型では何か不具合が発生した場合にレセコンに問題がなくてもレセコンが動かせないという不具合が発生する可能性が考えられる。
医療機関におけるシステムのレセコンと電子カルテでは実は太陽と月ぐらいの規模(モジュールのステップ)の違いがあり、そこを考えた場合は色々な周辺システム、例えば保険証読み取りシステムをつなげる事を考えた場合レセコンとつなげるか電子カルテとつなげるかは電子カルテかもしれないと考えたが、実績という観点から見ると日医標準レセプトソフトと連携させているのであって、これは日レセに連携する電子カルテを評価するポイントになるのではないかと考えた。電子カルテとしてはI/Fを受け持つ事は電子カルテ自体の価格を上昇させる要因となって価格競争に負ける可能性があるのかもしれない。
現実には一体型は売れ行きは今一歩で分離型がやはり主流のようだ。実際に一体型で日医標準レセプトソフトを超える電子カルテは存在していないという現実もある。大手の動向もあるが、現状ではAPIによって一体型が出て来たとしても分離型の方がユーザーにマッチしているのかもしれない。
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